「ラジオなんでオワコン」「ラジオCMなんで意味がない」といわれていますが、実はすごい宣伝効果が期待できるメディアです。
そこで今回はラジオCMについて以下の内容を解説します。
- ラジオCMとは?
- ラジオCMをおすすめする7つのポイント
- ラジオCMの問題点
- ラジオCMの種類と費用
- ラジオCMと他のメディア媒体との違い
ラジオCMを楽しみながら聴いている人はもちろん、効果的な宣伝方法を探していた企業担当者も参考になると思います。
目からウロコのラジオCMの世界、ぜひ最後までお読みください、
ラジオCMとは?
ラジオCMとどのようなものでしょうか。
企業の宣伝方法のひとつであるラジオCMについて以下で詳しく解説します。
ラジオ放送で流れる音のCM
ラジオCMとは、ラジオ放送中に流れる商品やサービスを宣伝する音声広告です。
テレビCMのように映像はありませんが、音楽やナレーション、効果音などを活用して、リスナーの耳に直接訴えかけます。
また、ラジオCMはリスナーとの距離が近く、耳にしたCM内容に親しみを持ちやすいことも大きなメリットといえるでしょう。
身近なものほどZ世代に刺さる!
ラジオCMはZ世代、つまり1990年代後半から2010年代に生まれた若者たちに刺さるという特徴があります。
Z世代は、生まれたときからインターネット環境が整っているデジタルネイティブ世代です。スマートフォンで手軽に聴けるラジコやポットキャストの普及、さらに2020〜2023年にかけて流行したコロナによる影響で需要は急拡大しています。
令和4年8月に総務省がおこなった「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」でも、10代が平日にラジオを聴く時間が長いのがデータでも明確です。
Z世代がラジオを聴くきっかけは「SNS」と「推し」の存在が大きいことが特徴です。コロナ禍で見つけた推しのラジオ番組を自粛があけた今も聴き続けています。
さらに、SNSの映像と同時配信するラジオ番組が増えたことで、より身近な存在になったことが影響しているようです。
ラジオCMをおすすめする7つのポイント
ラジオCMをおすすめする7つのポイントがあります。
自社の商品やイベントの宣伝にも気軽に活用できるため、低予算で参入するハードルは低め。
以下で詳しく見てみましょう。
その1:特定のターゲットにアプローチできる
ラジオCMをおすすめするポイントひとつ目は、特定のターゲットに直接的なアプローチが可能です。
ラジオ番組は、時間帯ごとにリスナー層が異なる以下のような特徴があります。
- 平日の午前中や夕方は通勤・通学など移動中
- 平日の昼間はオフィス、主婦・主夫、運転中
- 夜から深夜は長距離ドライバーや10~40代
- 土日祝は幅広い年代層
時間帯及び番組内容をふまえたターゲットに狙いを定め、自社の商品やサービスがどの層に向けて適しているか考ることが重要です。
また、地元のイベントや店舗の宣伝には、地域のラジオ局が威力を発揮します。地方局やコミュニティFMなど地域に根差したラジオ局を利用することで、より狭く深いターゲットに向けた広告展開が実現するでしょう。
その2:リスナーと距離が近く親近感がある
ラジオCMのおすすめポイントふたつ目は、リスナーとの距離が近く親近感がある点です。ラジオは家庭や車内、職場など、リスナーの日常生活の中に自然に溶け込んでいます。
リスナーとパーソナリティの親近感が身近な人におすすめされたという気持ちの相乗効果を生み、興味を持ってもらいやすくなるいうことが大きな特徴です。
さらにリスナーはリラックスした状態でラジオを聴くことが多いため、ラジオCMもより受け入れられやすくなります。
その3:くり返し聞くことで印象が残りやすい
くり返し聞くことでリスナーの印象に残りやすいことが、3つ目の特徴です。
ラジオCMのほとんどは、ひとつの番組の中で複数回放送されます。ラジオ広告をくり返し耳にすることで、無意識のうちに広告内容を記憶していることが特徴です。
インパクトのあるキャッチコピーやセリフは、リスナーの頭に残りやすく商品やサービスの認知度が自然と高まります。さらに、広告内容を季節やイベントに合わせて変更することで、新鮮さを保ちつつ、リスナーの興味を引き続けることが可能です。
その4:移動中に聞けるため購買意欲が増しやすい
ラジオCMは、移動中に聞けるため購買意欲が増しやすいということも特徴のひとつです。ラジオは、通勤やドライブ、散歩などの移動中に多く聴かれるメディアであるため、購買意欲に直結する以下のようなポイントがあります。
- 運転中は自分でオーディオ操作ができないため同じラジオ局を聴き続ける傾向が強い
- 移動中はリラックスしていることが多いためメッセージが届きやすい
- 聴いたCMをきっかけにすぐ行動を起こしやすい
移動中のラジオリスナーは、リアルタイムではいってくる情報を得ると購買心理が働きます。新鮮な情報をもとに目的地に着いた後の食事や買い物の選択肢のひとつになりやすく、CMとして有効な手段といえるでしょう。
その5:CM中でもチャンネルを変更されにくい
ラジオCMは、CM中でもチャンネルを変更されにくいことも大きな特徴です。
テレビやインターネットのCMはチャンネルを変更したりスキップしてしまうことが多く、最後まで見てもらえないことがよくあります。
しかし、ラジオは車の運転中や作業中に聴かれることが多く、CMの度にチャンネルを変えることは少ないメディアです。特に、好きな番組やパーソナリティの番組を聴いている場合、CMが流れてもそのまま聴き続けることが多いといえます。
このため、ラジオ広告はターゲットとなるリスナーにしっかりとメッセージを届けることが可能であるほか、音楽やナレーションなど演出をこだわることで、ラジオCMそのものが番組の一部として受け入れ安い特徴があります。
その6:ほかの媒体と比較しても圧倒的なコスパのよさ
ラジオCMの特徴は、ほかの媒体と比較しても圧倒的なコスパのよさがあります。
ラジオCMの広告料は地域によって大きな差はあるものの、数秒単位のスポットCMなら1万円台から出向可能。さらにコミュニティFMなら数千円でCM制作を行っている放送局もあるため、予算が限られている企業にとって非常に魅力的な選択肢です。
また、ラジオ広告は制作時間が短いため、低予算で臨機応変なキャンペーン展開をすことができます。
さらに地域密着型のラジオ局を利用すれば、商店街や地域のコミュニティ単位にターゲットを絞った広告展開ができ、限られた予算で効果的にメッセージを伝える手段として非常に有効です。
その7:ほかの媒体とコラボすることで相乗効果が期待できる
ラジオCMの特徴として、ほかの媒体とコラボすることで相乗効果の期待できる点です。
テレビやインターネット広告とラジオCMを連動させることで、視覚と聴覚の両方からリスナーにアプローチします。さらに、ソーシャルメディアと連携し、リスナーからのフィードバックを集めたり、キャンペーンの拡散を図ることも可能です。
複数の広告媒体とコラボできるラジオCMの柔軟さを最大限に利用することで、広告効果を飛躍的に高めることができるでしょう。
ラジオCMの問題点
ここからラジオCMの問題点についてみてみましょう。
音のみで伝えることが大きな課題であるラジオCMならではの難しさを解説します。
聞き流される可能性が高い
ラジオCMの問題点は、聞き流される可能性が高いことがあげられます。ラジオは多くの場合、他の作業をしながら聞くBGMとして利用されることが特徴的なメディアです。
そのため、リスナーが広告に注意を払わず聞き流され「音の一部」と認識される可能性があります。CM内容に作業の手を止めるほどのインパクトない場合はなおさら興味を示すことは難しいでしょう。
これにより、リスナーの注意を引くためには、音で商品を「見せる」工夫とともにとともに、狙ったターゲットが聴いている放送時間や番組の選定が重要です。
イメージしにくい可能性がある
ラジオCMはイメージしにくいという問題点があります。
ラジオCMは音声のみで情報を伝えるため、リスナーに商品のビジュアルや使い方をイメージさせるのが難しく、魅力を十分に伝えることができません。まるで目の前で実演販売しているようなリアル感を演出し、リスナーの購買意欲を掻き立てる工夫が必要不可欠です。
また、近年はラジオCMとウェブサイトやSNSを連携させ、視覚情報を補填するケースも増えています。音声と他のメディアを組み合わせることで、ラジオCMの可能性は拡大するでしょう。
ラジオCMの種類
ラジオCMの種類について解説します。
ラジオ広告は主に以下の4パターンです。
- 特定の番組のスポンサー|タイムCM
- 指定された時間内で流す|スポットCM
- 番組のコーナーとして宣伝|生コマ
- オリジナルラジオ番組制作|ラジオ番組枠
商品イメージ、ターゲット層に合わせて制作可能です。また、テレビやインターネットと比較してもダントツに費用も安いため参入しやすいことも魅力のひとつ。
以下で詳しく解説します。
特定の番組のスポンサー|タイムCM
タイムCMとは、特定の番組のスポンサーとなって放送する広告のことです。
一般的に番組のスポンサーと呼ばれる種類で「この番組は〇〇会社の提供でお送りします」とアナウンスされるCMをいいます。提供している番組内で繰り返しCMが放送され、リスナーに対して効果的にメッセージを届けることが可能です。
タイムCMの費用は他のCM形態と比較すると割高ですが、狙ったターゲット層に対する長期的なブランド認知向上につながります。
指定された時間内で放送|スポットCM
スポットCMは、指定された時間内で放送される広告をいいます。
スポットCMは番組と番組の間に流れるCMです。番組が限定されないため、幅広いターゲットにむけてアピールできます。
特定のキャンペーンやセール情報など、短期間で集中的に告知したい場合に非常に効果的です。放送する回数や時期、時間などを指定することで費用をコントロールできます。
ラジオCMでもお馴染みグルコサミン
番組のコーナーとして宣伝|生コマ
生コマとは、番組のコーナーの一部として宣伝するCMをいいます。
パーソナリティや企業の担当者が直接商品やサービスについて紹介する形態です。普段聴いている番組の一部として自然に耳に入るため、抵抗感が少なく興味が湧きやすくなります。
生コマの特徴は、何と言ってもパーソナリティの信頼感や親近感です。番組やパーソナリティのファンに対して強い影響力を持つため、効果的なプロモーションが期待できます。費用は番組の人気度や放送時間帯によって変動しますが、番組人気の恩恵を受けるため費用対効果は高いといえるでしょう。
代表的な企業として「ジャパネットたかた」「快適生活ラジオショッピング」などの名称は耳にしたことがある人も多いかも知れません。
テレビショッピングでもお馴染みトーカ堂もラジオショッピングやってます。
オリジナルラジオ番組制作|ラジオ番組枠
ラジオ番組枠とは、企業が自社の広告目的で番組枠ごとに買取りオリジナルラジオ番組制作を放送する形式です。テレビ通販番組のラジオ版といえばイメージ付くかもしれません。
番組枠を完全にコントロールできるため、ブランドのイメージを強く打ち出すことができます。
例えば、健康食品を販売する企業が健康に関する情報番組を制作し、その中で自社商品の宣伝を行うといった形です。ラジオ番組を作るには多くの資源や時間がかかりますが、その分インパクトの大きい広告効果が期待できます。
2024年5月現在「わくわくお届け便」「旬! SHUN! ピックアップ」「小倉・IMALUの〇〇玉手箱」などが放送中です。
ラジオと他のメディア媒体におけるCMの違い
ラジオと他のメディア媒体におけるCMの違いを解説します。
テレビCMとインターネットCMと比較してみました。
テレビCM|商品の魅力が一目瞭然
ラジオCMは音のみで伝えることに対し、テレビCMは映像と音声を駆使して商品やサービスの魅力を視覚的にアプローチします。テレビCMを見た視聴者は、その機能や使い方を直感的に理解しやすいのが特徴です。
特に高級商品やサービスは、視覚に訴える説明が効果的ですが、制作に時間がかかり費用も高額になります。また、チャンネルを変えやすいというデメリットもあります。
テレビCMの効果を最大限に活かすため、番組から視聴者が離脱しないいようにする工夫が必要です。
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インターネットCM|データを活用したターゲット戦略
インターネットCMは、データを活用したターゲット戦略が特徴的です。ユーザーの閲覧履歴や検索履歴を基にしたターゲットの絞り込みが可能で、高い効果を期待できます。
ソーシャルメディアや検索エンジンを活用したCMは、ユーザーごとの興味や関心に合わせた広告展開が可能です。しかし、インターネットCMは多くの広告が表示されるため、ユーザーが広告をスルーしてしまう「バナー盲」になりやすいデメリットがあります。
おすすめラジオCM集
ここからは、当サイトの独断と偏見でおすすめラジオCMを紹介します。
引越し侍
ラジオドラマ風なセリフと言葉のチョイスが聞き入ってしまします。
「たけしーー」
というお母さんの声が印象的で、記憶に残ります。
ハーゲンダッツ
タレントの佐藤健さんのラジオ版CMです。
テレビ版CMと比較するのも面白いかもしれません。
ハーゲンダッツの美味しさはもちろん、冷たさやとろける食感も伝わるラジオCMです。
カーネクスト
カネカネカネカネ♪のサウンドロゴが印象的なラジオCMです。
ナレーションを務めたのは、声優の中尾隆聖さんと堀川りょうさん。
そうです、ベジータとフリーザの共演です。
まとめ
ラジオCMの効果について解説しました。
オワコン、年配者しか聴かないといわれがちなラジオですが、まだまだ成長しそうです。
Z世代を始めとした若者がラジオを聴き始めたことは、ラジオ局の大きな功績です。
あらゆる年代を取り込んでインパクトの強いCM作りが、ラジオ番組と企業そしてCMのファンを生み出します。
製作期間が短く、コストが安いラジオCMで広告デビューしませんか?
ラジオCMの世界について参考になれば幸いです。