こんな話、聞いたことありせんか?
テレワークが当たり前になった時代背景も影響して、ラジオが再び注目されています。
勉強や読書など集中したいと思ったときのBGMとしてテレビや動画だと集中できないし、音楽だと歌詞や曲調によっては黙って座っていられない。でもラジオなら集中できる、という人も多いようです。
それはなぜなのか。脳科学的に証明された事例をもとに解説します。
ラジオを聴くと頭に良いことだらけ! 脳科学で証明されたこと
ラジオとテレビを比べると、記憶している「もの」と記憶の「仕方」に違いがあります。それは耳で聴いたことと目で見たものを記憶する「脳」の場所が違うから。
ラジオを聴くと頭が良くなるといわれる仕組みは、脳が音が自然に耳に入る「聞く」から、耳を傾ける「聴く」に処理することがポイント。
ラジオを聴くとどのように脳が働くか、とある実証実験によって証明されました。
脳が活性化して記憶力が向上する
耳から「聞いた」音は脳を刺激し「聴く」力をアップさせます。株式会社脳学校の代表で脳科学者・加藤俊徳先生監修のもと、8名の大学生に毎日2時間以上ラジオを聴いてもらい、脳の変化を見る実証実験が行われました。
ラジオを聴く前後で比べた実験のMRI画像から確認された内容は以下のとおりです。
- 8名全員の記憶する脳の領域が刺激され成長した
- 8名全員のイメージを記憶する力が強化された
- 8名中4名が聴覚を司る左脳が刺激された
- 刺激された左脳は最大2倍の成長が確認された
このことからも、継続的にラジオを聴くことは「脳の成長」につながるといえます。
※出典:ラジコ公式サイト
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前頭前野が活性化して想像力が豊かになる
ラジオを耳にすると、話している内容の場面をイメージすることはありませんか。
たとえば、飲食店のレポート。頭の中は、このような妄想でいっぱいになった経験があると思います。
頭の中…
「あ、この場所知ってる」
「前はラーメン屋だったよね」
「お店の人の声、やさしそうだな」
「近所だから明日行ってみようかな」
前頭前野が刺激されると、想像力がふくらみ行動力につながります。見えないものが美味しそうに感じるのは、前頭前野が刺激された証拠。ラジオと音楽の大きな違いは、毎日内容が違うところです。継続的に聴くことで想像力のアップが期待できます。
子どもの学習力がアップする
子どもの学習力をアップする近道としては、ラジオで音を聞いて想像力をつけることかもしれません。言葉を聴く、意味を理解するには国語力と集中力が必要です。国語力を文部科学省では以下のよう定義しています。
文部科学省
- 考える力,感じる力,想像する力,表す力から成る,言語を中心とした情報を処理・操作する領域
- 考える力や,表す力などを支え,その基盤となる「国語の知識」や「教養・価値観・感性等」の領域
ラジオを聴く習慣をつけることで「聴く」力を高め、学校の授業で「見る」ことをうまく紐づけ、理解力が高まると考えられています。
ラジオを聴くことで国語力が鍛えられ、ひとつの会話のきっかけになりそうです。
脳が成長すると認知症予防になる
年齢を重ねると、聴力を司る前頭前野が衰えることで認知症に繋がるといわれています。
前頭前野が萎縮すると出現する影響は以下の通りです。
- やる気がなくなる
- 感情のコントロールが難しくなる
- 同じことを繰り返す
- 感情が鈍くなる
- 自発的な言葉が出なくなる
認知症と前頭前野の関係性ははっきり証明されていませんが、ラジオを聴くことで予防できる可能性が高いといわれています。
脳は何歳になっても成長できるといわれており、普段の生活でラジオを取り入れることが脳活となり、認知症の予防になるといえそうです。
テレビやスマホはだめ? ラジオとの決定的な違いとは
脳を鍛えるため継続的にラジオを聴くことが良いという実証もありますが、より身近な存在のテレビやスマホはどうでしょうか。ラジオを聴いたときと、テレビやスマホを見たときの違いを解説します。
テレビは視覚に頼りすぎて脳がサボる
見ることが目的であるテレビは、ラジオと比べると想像することが少ないことが特徴です。さらに近年のテレビ番組はタレントの言葉や物の名前などのテロップばかりが目立ちます。
テレビを見ると色々な情報を目で受け取り、刺激される部分は視覚に関わる「後頭葉」と聴覚に関わる「側頭葉」です。刺激が届かない前頭前野はサボり放題。
さらに、テロップが頻繁に出る番組を見続けてIQの低下が確認できたという研究結果もあります。テレビばかり見ると想像力が刺激されず認知症が進む危険性も。テレビと前頭前野の相性は悪いため、認知症予防の観点では注意が必要です。
スマホは脳を使いすぎて過労状態に!
社会問題になっている「スマホ脳」とは情報を受け取りすぎた脳がオーバーヒートした状態を言います。
以下のような症状が思い当たる場合、要注意です。
- 些細なことでキレやすくなった
- 記憶力、集中力、判断力が低下する
- 頭が常にぼんやりする
- 睡眠障害
- 自律神経が乱れる
スマホ脳を放置すると徐々に脳機能が低下し「脳疲労」を引き起こします。さらに前頭前野の働きが悪くなると自律神経が乱れる原因になり、めまいや頭痛、便秘など身体的な不調に伴いうつ病の危険性もあるため、注意が必要です。
脳が喜ぶラジオの聴き方
ラジオを普通に聞き流すだけでも集中力や記憶力、想像力がアップするなどメリットだらけですが、この機会に脳が喜ぶ聴き方を試してみませんか。
ながら聞きでも意外に印象に残っているフレーズやCMなどありますよね。これは意識しなくても脳に刺激が与えられている証拠。
脳が喜ぶラジオの聴き方のヒントとして参考にしてください。
ラジオを聴きながら運動する
軽快なリズムでステップを踏む、ロックを聴きながらライブ感覚でランニングをする、などリズムに合わせた動きは脳内が活性化します。さらに継続すると高い効果もあると証明された研究結果もあり音楽と運動の相性は抜群です。
激しい運動はちょっと……という人こそラジオを「聴きながら運動」をおすすめします。
軽いランニングやウォーキングは健康維持に役立つことはもちろん、運動とラジオを組み合わせることで前頭前野がより活発になり、見た目も健康的で若々しい印象になります。また、脳が若返ると精神的に落ち込むことも減り、心も体もポジティブになるなどメリットだらけ。
興味がある分野のラジオ番組を聴きながらウォーキングすると、番組の内容がよりインプットされるためおすすめです。夢中になりすぎると事故の危険性がありますので、音量の上げ過ぎは注意しましょう。
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メッセージを送って番組に参加する
ラジオといえばリスナーとパーソナリティの距離の近さが魅力です。近年はSNSと連動しているラジオ番組もあり、気軽にメッセージを送り「会話」を楽しむ若い世代も増えています。
「いきなりメッセージを送るのはハードルが高い」と思う人は「脳内」でメッセージを送ってみるのはいかがでしょうか。
たとえばラジオ番組のメッセージテーマについて自分だったらこんなメッセージ送ろうかな、こんなエピソードがあったな、もし採用されたらパーソナリティはどんなコメントを返してくれるかな、と想像するだけで前頭前野に大きな刺激が与えられます。
メッセージが採用されたというイメージトレーニングは、手軽な脳活としておすすめです。
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ドライブ中のラジオは集中力アップ
ラジオは「ながら聴き」する場所といえば車というくらいラジオとの相性は最高です。ドライブしながら聴くラジオは、なんとなく内容がスッと入ってくる気がしませんか。
これは前頭前野が刺激されたことにより集中力がアップし、想像力が増しているから。前頭前野の働きが良くなると精神的な安定感を得られる効果もあり、運転の状況に合わせて的確な判断ができるようになります。
長距離ドライバーさんが安全に仕事を終えられるのは、ラジオのおかげかもしれません。
今はリアルタイムでなくても、自分のタイミングで聴ける番組も多くあります。とっておきのドライブ向けの番組を見つけてみませんか。
脳が活性化するおすすめラジオ番組4選!
数あるラジオ番組の中でもより脳が活性する番組があります。
- 天気予報
- ニュース番組
- ラジオドラマや落語
- 好きな有名人の番組
新しい刺激をどんどん与えて健康な脳と体を手に入れましょう。
天気予報
テレビで見る天気予報と違って、ラジオは聴覚で情報を処理します。
「今日の天気は晴れ、最高気温は20℃、降水確率は10パーセント」
この情報を脳がキャッチすると以下のことを想像します。
「なにを着て行こうかな、上着も持っていこうかな」
「傘は必要なさそうだ」
「日焼け止めも塗らなきゃ」
「明日は天気悪いかも知れないから今日のうちに洗濯しておこう」
脳にどんどん刺激が伝わり、なにをすべきか考える集中力と先のことを考える想像力が同時に働きます。また、行ってみたい場所の天気予報を聴きながら「脳活妄想旅行」もおすすめです。
ニュース番組
映像や字幕、グラフなど視覚に頼るものがないラジオニュースは音だけを頼りにあらゆる情報を得ようと脳全体が刺激され、認知能力が向上します。興味関心のあるニュースや地域のほのぼのした話題は想像力を刺激し、精神的なリラックス効果も。
脳全体が活性化し、情報処理や記憶力アップが期待できます。
ただし、想像力が豊かすぎると自覚のある人は注意が必要です。ネガティブなニュースを見ると自分のことのように精神的なダメージを受けてしまう可能性があるため、落ち込みそうな話題になったら番組を切り替えましょう。
ラジオドラマや落語
脳活要素がたっぷり含まれているのがラジオドラマや落語です。ラジオから聴こえる音だけで物語の世界に引き込まれ想像力が刺激されます。
効果音ひとつ聴いただけて想像できる情景はこちら。
- 舞台になっている場所やそこにいる人数
- 季節や時間
- 時代背景
- 物が落ちた、壊れた
音だけでストーリーが進むと想像力が膨らみ、頭の中で物語がイメージされます。ストーリーが途切れないようラジオドラマや落語に耳を傾けることは集中力が必要です。
登場人物と一緒に泣いて笑って楽しむことで想像力や共感力もアップすると、ストレスが軽減されさまざまな健康効果も期待できます。
好きな有名人の番組
好きな有名人が出演するラジオ番組も、ひとことたりとも逃すまいと集中して聴きます。そのため集中力で脳が刺激されまるためおすすめです。テレビで見たことがある有名人ならどんな表情で話しているのかな?いつもテレビで見ているお馴染みの衣装かな?など聴こえた情報以上に想像も膨らみます。
好きな有名人の話を独り占めできるような特別感を味わえる番組は脳に良い刺激が与えられるほか、ラジオを聴きっかけになる人も多い印象です。
まとめ
ラジオを聴くと頭が良くなる、脳に良いポイントは以下の通りです。
- 脳が活発化して学習力アップや認知症予防に効果的
- テレビやスマホより、脳が喜ぶ刺激はラジオ
- ラジオを聴きながら作業することで効率アップ
- 聴き方を少し工夫してより深い脳活ができる
聴く力がアップすると脳が刺激され、想像力が豊かになり集中力が高まり、コミュニケーションアップにつながります。ながら聴きに最適なラジオを生活に取り入れて、お気に入りの番組を見つけてくださいね。
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